私がラグビーの魅力に取り憑かれたのは、高校一年の時、初めての公式戦（新人戦）の時の出来事がきっかけです。
小柄な私が、突進してくる巨漢の相手選手を死に物狂いでタックルして止めた時、当然こちらの方がブチ飛ばされたような格好でしたが、相手選手が先に起きあがり「ナイス・タックル」と言いながら私を引き起こしてくれました。
この一件以来、人生観・人間観も大きく変わったように思います。
中学までは野球をやっていましたが、こんな経験は全くなく、むしろ、敵対意識が先に立ち、ひどい野次を飛ばたものでした。それに比べ、「ラグビーはなんて素晴らしいスポーツだろう」と感動しました。
ラグビーには、武道にも通ずる「ラグビー精神」と言うものがあると思っています。
第一に、よく言われる事ですが「ノーサイド精神」です。これは、ゲームが終了したら"No
Side"、すなわち「敵も味方も無い」と言うことで、お互いに同じラガーマン、人間として認め合い、尊敬し、友情をもって接すると言うことです。
次に、「ジェントルマンシップ」。つまり、紳士的であれと言うことです。見かけは激しくぶつかり合い、野蛮に見えるかも知れませんが、ラグビーは紳士の国・イギリスで生まれたスポーツです。激しいボディコンタクトのあるスポーツだからこそ、この精神は絶対に忘れてはなりません。
そして、「キャプテンシー」。監督やコーチが主導権を持つのでなく、キャプテンを中心に選手の相互理解のもとで行動すると言う事です。選手の自主性を促進する意味であり、また、「チームワーク」と言い換えることもできるでしょう。